「以上」と「超える」、「前」と「以前」、「及び」と「並びに」などの違いが判りますか? 

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皆さんは「以上」と「超える」、「前」と「以前」、「及び」と「並びに」などの違いが判りますか?

宅建では、各種の法律に係わる問題が出題されます。これらの言葉は、その法律でよく使用される言葉です。

まずは、その言葉が意味するところを理解し、条文などの内容を間違わずに理解することが重要ですよね。

言葉の意味を理解しておかないと、後になって条文の内容をもう一度覚えなおすことにもなりかねません。

また、言葉を言い換えた問題にも対応できなくなります。

これらの言葉の違いを理解したうえで、条文の内容を覚えておけば、覚えなおす必要もなく、結果としてコスパのよい勉強になります。

ここでは、その基本となる「以上」「超える」などの数の起算に関する言葉、「前」「以前」など時間の前後に使用される言葉と「及び」と「並びに」などの接続詞について説明します。

目次

以上、以下、超える、未満について

まずは、数量・数値の起算についてです。

各種の法律、規制などでは、その対象となる範囲、また例外になる範囲などを明確にするため、その範囲を数値で表します。

そのための表現と意味は、次のようになります。

以上  :基準を含み、それより多い
以下  :基準を含み、それより少ない
超える :基準を含まないで、それより多い
未満  :基準を含まないで、それより少ない

基準を100とした場合には、それぞれ次のような表現になります。

100以上   :100ちょうどを含み、それより多い
100以下   :100ちょうどを含む、それより少ない
100を超える :100ちょうどは含まないで、それより多い
100未満   :100ちょうどは含まないで、それより少ない

これらは数学に出てくる不等号で考えると、よりわかりやすいですね。

「以上」、「以下」は、「≦」や「≧」の記号と同じ意味になります。
「超える」、「未満」は、「<」や「>」の記号と同じ意味ですね。

また、実際の条文で見ると、以下のようなものがあります。

(宅地造成)第3条 第3号
切土と盛土とを同時にする場合における盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが1m以下の崖を生じ、かつ、当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが2mを超える崖を生ずることとなるもの

宅地造成等規制法施行令(施行日:平成31年4月1日)

該当する場所の意味は次のようになります。

  • 高さが1m以下の崖(1mちょうどを含み、1mよりも小さい)
  • 高さが2mを超える崖(2mちょうどを含まず、2mよりも大きい)

また、すこし紛らわしいですが、「~を超えない」という表現も良く出てきます。

この場合は、起算点を含むことになります。

たとえば、「高さが1mを超えない」だと、1mちょうどまではOK。
「高さが1m以下」と同じ意味です。

前、以前、後、以後について

通常の生活では、ほとんど意識していませんが、法律の中では、これらも使い分けがされています。

これらは、時間的な前後関係を示す場合に使われます。

宅建では日付、日数などで使われますね。

意味は、以上、以下、超える、未満と同じで、基準を含むか含まないかが違うところです。

それぞれの意味は、下のようになります。

10日以前  :基準(10日)を含む
10日前   :基準(10日)を含まない
10日以後  :基準(10日)を含む
10日後   :基準(10日)を含まない

及び、並びに、又は、若しくは について

「及び」、「並びに」、「又は」、「若しくは」などは、語句を接続するために使われます。

まず、「及び」と「並びに」は英語でいうと「and」の関係のことで、原則としては「及び」を使います。

接続が多段階の場合、「及び」は小さい項目、「並びに」は大きい項目を接続する場合に使われます。

及び  :並列に項目をつなぐ(2個をつなぐ  A及びB)
並びに :大きな項目の接続に使う(2グループをつなぐ  A及びB並びにC及びD)

「及び」「並びに」イメージ図

次に「又は」と「若しくは」ですが、これは英語でいう「or」の関係になります。

原則としては「又は」を使います。

同じように接続が多段階の場合には、「若しくは」は小さい項目、「又は」は一番大きい項目に使われます。

又は  :同一事項の2つ以上の項目から、どれか一つを選択する (A又はB)
若しくは:2つ以上の事項にまたがって選択する(A若しくはB又はC若しくはD)

「又は」「若しくは」イメージ図

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「以上」と「超える」、「前」と「以前」、「又は」と「若しくは」の違いなど、分かりましたでしょうか?

これらの言葉の違いを早い段階で理解し、その内容を意識して法律の内容を覚えてきましょう。

そうすれば、覚えなおしする必要もなく、結果としてコスパのよい勉強になります。

試験では、これらの言葉を言い換えて正誤を問う問題もでてきます。

言い換えの問題は、言葉の意味をキチンと理解しておけば、簡単に正解を出すことができるので、大切なところですね。

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