宅建試験で狙われやすい「宅建業免許の変更届出」
宅建試験は、宅建業法の細かい規定を問う問題が多く出題されます。
その中でも受験生を悩ませるのが 「宅建業免許の変更届出」。
どんなときに届出が必要なのか?
届出の期限はいつまでなのか?
例外や引っかけ問題はあるのか?
こうした部分を理解していないと、正解を選べずに失点してしまいます。
今回は、変更届出のポイントを 具体例+語呂合わせ で整理。
暗記が苦手な人でもスッと頭に入るように工夫しています。
宅建業の免許とは
免許権者(免許を与える側の者)は、申請者から免許の申請があり、欠格要件に該当しなければ免許を付与することができます。
まず混同しやすい用語を整理しましょう。
- 宅地建物取引士証(いわゆる宅建士証)
宅地建物取引士(個人資格者)に交付される証明書。資格を持つ「人」に対して交付されるもの。 - 宅地建物取引業者免許証(いわゆる宅建業免許)
不動産会社などが営業を行うために必要な免許。個人事業主・法人を問わず、業者として事業をする場合には必須。
この2つはまったく別物です。
宅建試験では「免許」と「資格証」をわざと混ぜて出題してくることがあるので注意しましょう。
ちなみに、宅地建物取引業者の免許とは、以下のようなものですね。
宅建士証とは違いますので誤解しないでください。

宅地建物取引業者名簿の登録内容とは
免許権者は、免許証を交付するとともに宅地建物取引業者名簿(宅建業者名簿)に次のような項目を載せなくてはなりません。
- 免許証番号および免許の年月日
- 商号または名称
- 法人の場合は、その役員(常勤のみならず非常勤の取締役、監査役も含む)の氏名および4政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
- 個人の場合、その者の氏名および政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
- 事務所の名称および所在地
- 事務所ごとに置かれる専任の宅建士の氏名
- 指示処分、業務停止があった時は、その年月日および内容
- 宅建業以外の事業を行っているときには、その事業の種類
そして、免許権者により、この宅建業者名簿は、設けられた閲覧所で、一般に閲覧されます。
この閲覧の方法は、免許権者によって異なります。
- 国土交通大臣が免許権者の場合
登録の概要はWeb上で無料で確認できます。
国土交通省 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム
- 県知事が免許権者の場合
それぞれの県により状況が異なります。
東京都の場合には、東京都住宅政策本部が管理するwebで、概要を無料で検索できます。
東京都住宅政策本部 宅地建物取引業者免許情報提供サービス
県によっては、「有料」の場合や、「閲覧できるのは事務所のみ」といった場合もあります。
つまり、宅建業者は「免許を取得して終わり」ではなく、登録情報が公開されるという点をしっかり理解しておく必要があります。
変更の届出が必要な項目
さて、変更の届出が必要になるのは、次の項目が変更になった時です。
そして、その変更の届出は30日以内に免許権者に行わなければなりません。
① 商号または名称
② 法人の場合は、その役員の氏名(常勤のみならず非常勤の取締役、監査役も含む)および政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
③ 個人の場合、その者の氏名および政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
④ 事務所の名称および所在地
⑤ 事務所ごとに置かれる専任の宅建士の氏名
基本、登録されている項目について、宅建業に関するものを変更する際には届出が必要になる。
特に「名前」に関して変わった場合には必要。ということだと思います。
試験で狙われやすい引っかけ問題
宅建試験では「変更届出が不要なケース」を選ばせる問題がよく出ます。
例:
役員の住所変更 → 届出不要
使用人の自宅住所変更 → 届出不要
役員の氏名変更 → 届出必要
このように「住所は関係ない(事務所の住所を除く)」「名前は関係ある」と区別しておくのが大切です。
語呂合わせ
試験で確実に点を取るためには、細かい知識を整理する必要があります。
ここで役立つのが語呂合わせ。今回の語呂合わせは、これです。
「自宅を閉めて 30枚の膏薬を使用」
「ジタク ヲ シメテ 30マイノ コウヤクヲ シヨウ」

夜に戸締りをして湿布をたくさん貼る姿をイメージすれば、自然と「届出の対象」と「期限」をセットで覚えられます。
語呂合わせは、ただ読むより、声に出すことで記憶に定着しやすくなります。試してください。
まとめ
宅建業として登録された場合には、登録された内容の中から、宅建業に関わり、特に氏名に関して変わった場合には、30日以内に免許権者へ変更の届出が必要になります。
試験問題では、役員や使用人の住所が変更になった場合、変更の届出の要否と問う問題などがあります。
そんな問題に引っかからないよう、語呂合わせを使って、しっかり覚えておきたいですね。
宅建試験は暗記量が多く、途中で挫折しそうになることもあります。
でも、語呂合わせやイメージ記憶を取り入れれば、効率よく学習を進められます。
あなたの合格を全力で応援しています。必ずやり遂げられます!