不動産登記法、これも例年1問出題される項目ですね。
ここも範囲としては広いため、ポイントを絞った学習が必要です。
今回はその中で、単独申請の条件についての語呂合わせを紹介します。
単独申請の概要
まずは、簡単に不動産の登記記録についておさらいします。
不動産の登記記録は、表題部、権利部からなります。
表題部について
表題部には、不動産の表示に関する記録があります。
例えば、建物の所在、種類、構造、床面積などの不動産の物理的な状況ですね。
権利部について
一方、権利部には、その名の通り権利に関する記録があります。
権利部は、甲区(所有権について記載)と乙区(抵当権や賃借権など所有権以外の権利について記載)から構成されます。
実際の登記記録を見ると「何かいろいろ書いてあるけど、違いがよく分からないなぁ」となりがちです。まずは、このような区分があることを知ることが重要ですね。
共同申請主義について
不動産の登記は、原則、当事者の申請か官庁若しくは公署の嘱託がなければすることができません。
このことを「申請主義の原則」といいます。
また、不動産の権利に関する登記は、原則、登記権利者と登記義務者が共同して申請しなければなりません。これを「共同申請主義」といいます。 「原則」です。
「登記権利者」とは、権利に関する登記をすることにより、登記上、直接利益を受ける者のことです。
「登記義務者」とは、権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人のことです。
「登記名義人」とは、登記簿の権利欄に、権利者として記載されている者のことです。
たとえば、不動産の売買契約を締結した場合には、買主が登記権利者、登記名義人である売主が登記義務者となります。
分かりやすく書くと、
買主=登記権利者
売主=登記名義人=登記義務者
ですね。
ちなみに表示に関する登記については、単独で申請することが可能です。
共同申請の例外
皆さんもご存知のとおり、原則があると例外もあるのが法規則ですよね。
そして、試験で問題にされるのは、この権利の登記に係わる部分の例外についてです。
権利の登記に関しては、共同申請の原則がありますが、その例外として、次の場合には一定の者が単独で登記を申請することができます(共同申請主義の例外)。
・所有権保存登記
・相続または法人の合併による権利の移転の登記
・判決(登記手続きを命じる確定判決)による登記
・仮登記義務者の承諾があるとき、又は仮登記を命じる裁判所の処分がある場合の仮登記
・登記名義人の氏名(名称)・住所の変更・更正の登記
ちなみに、変更の登記とは、登記事項に変更があった場合のもの。
更正の登記とは錯誤または遺漏があった場合に訂正する登記です。
語呂合わせ
では、不動産登記で単独申請ができる条件の語呂合わせです。
語呂合わせは、「単身、ほか弁が相場 (タンシン、ホカベンガ ソウバ)」です。
単身赴任だと食事は、ついついほか弁になってしまうのが相場。といったイメージですね。
語呂合わせ中の言葉の意味は、次のとおりです。
① 単独で登記申請が可能な条件の語呂合わせ
② 所有権保存登記
③ 仮登記義務者の承諾があるとき、又は仮登記を命じる裁判所の処分がある場合の仮登記
すこし長いですが、仮登記の場合と覚えておけば、よいでしょう。
④ 登記名義人の氏名、住所の変更・更正の登記
⑤ 法人の合併
⑥ 相続
⑦ 登記手続きを命じる確定判決
先ほども記載しましたが、表示に関する登記も共同申請の例外にあたるため、単独での申請も可能です。
また、登記官の職権により登記することもできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は例年1問出題される不動産登記法の範囲の中から、権利部について、単独申請ができる場合の語呂合わせの紹介でした。
語呂合わせの初めの部分に、何の語呂合わせかが入っているので、思い出しやすくなっていると思います。
きっと、やり遂げられます。あなたが試験に合格できるよう、応援しています。